2016年7月17日 まちネタ

「まちのり」を活かした公共空間の高質化を目指して

金沢のまちが、もっと好きになる。

金沢レンタサイクルまちのり。

 

先週のブログ、みなさんご覧いただいてますでしょうか?

夏休み突入前における怒涛のサイクルポート移設・増設ラッシュ!!

ino隊長指揮・監督のもと、素晴らしい充実が図られました。

まずはそのおさらいを。

 

1.竪町ポートが竪町広場内へ移動!

まずは、中心部のタテマチストリートに位置する「竪町ポート」が、すぐ近くの竪町広場内へと移動しました。

▼竪町広場内に移動した「竪町ポート」

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▼「まちバス」や「ふらっとバス」の停留所もすぐ目の前!

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▼タテマチストリートに接する貴重な広場。これから利活用を一体的に考えていければ良いなぁ。

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▼もともとポートがあった場所は駐輪場として活用される予定。

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2.金沢駅Bポートが高架下市道上に移動!金沢駅Cポート新設!!

続いて、金沢駅周辺の多くの需要をカバーしている最重要ポート「金沢駅Bポート」が、市営駐輪場の中からすぐ横の高架下市道上へと移設されました。それにあわせて、「金沢駅Cポート」が新設され、収容可能台数は計41台に増加。欧州のバイクシェアリングのステーションを彷彿とさせる素晴らしいポートに生まれ変わりました。

▼リニューアルされた金沢駅Bポート。金沢駅東口を出て右方向に少し歩くとすぐに見つかります。これまでは駐輪場内だったのでややわかりにくい面がありましたが、これで案内性の問題も解消ですね!

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▼ポートの向い側にはコインロッカーが並びます。荷物を預けてすぐにまちのりで移動できますよ♪

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▼金沢駅Bポートは26番まで。そのすぐ横にできた「金沢駅Cポート」は15番まであります。登録・利用の際はお間違いなく!

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▼見つけやすくなったことから、通行する方々も興味津々!

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▼清掃のお姉さんたちも「どうやって使うねんろ~」と興味津々。ところでこの高架下通路は「押し歩き」でお願いしますね!

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▼もともとあった場所は、もちろん駐輪場として復活。駐輪場をご利用されている皆様、約4年の長きにわたって間借りさせていただき、ありがとうございました!

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3.祝!寺町ポート新設!!

そして最後は、昨日7月16日にオープンした「寺町ポート」。このエリアは「寺町寺院群」として重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、前田藩政期に一向一揆への防衛策として寺院が集められたとのこと。「忍者寺」として有名な妙立寺もこの界隈にあります。まちなかからは、犀川大橋や桜橋をわたって寺町台地を上る必要があり、これまでまちのりユーザーの皆さんは「にし茶屋ポート」から徒歩でアクセスされることが多かったと思います。

▼寺町5丁目緑地にインストールされた「寺町ポート」。

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▼緑地の曲線にそった配置。とっても美しいですね!

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▼既存マンホールを避ける工夫も。

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▼広場入口には重伝建地区の看板が。

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▼すぐ横には、市内でも有名な料亭「つば甚」さん。いつか入ってみたいと思います!

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▼立派な寺院がたくさん集積しています。お寺めぐりも「まちのり」で!

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以上の3つの取組が、わずか1週間足らずの間に実現。

道路上や公園・広場内へのサイクルポートの設置は、簡単にできてしまうと思うかもしれませんが、法律上の壁が意外と高く、つい最近までこのようなことは公的には許されない状況にありました。

ところが、国による都市再生特別措置法や道路法の改正などを契機として、道路や公園・広場といった公共空間をうまく活用することが可能となってきました。その活用方策のひとつに、コミュニティサイクルのポート設置が挙げられています。

欧米では当たり前のように道路上や公園・広場の直近にステーションがあり、まちの賑わいを創出する装置として大いに機能しています。

▼フランス・リヨンのバイクシェアリングシステム「ヴェローブ」。すぐ奥にはオープンカフェがまちの賑わいを創っています。

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▼金沢市の姉妹都市であるフランス・ナンシーのバイクシェアリングシステム「ヴェロスタン・リブ」。世界遺産となっているスタニスラス広場の直近にステーションが設けられています。

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▼スペイン・バルセロナのシウタデリャ公園付近の凱旋門あたり。道路中央が広々とした歩行空間となっており、その近くにはバイクシェアリングシステム「ビシング」のステーションがあります。

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▼同じくバルセロナ。ポルトベイ沿いの道路上にもステーションが配備されており、ここに自転車を置いて、地中海の風を感じながらゆったりと海辺を散策することができます。

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これまでは、都市の成長や人口増加にあわせて道路や公園・広場などの公共空間が多く整備されてきましたが、これからは都市の成熟と人口減少の時代に突入していきます。

公共空間も少しずつ余っていく可能性がありますが、それを逆手に取ってクルマ主体の空間から歩行者や自転車などの「人間中心」の空間へと転換していくことが、公共空間の高質化につながり、地域の付加価値を高め、結果的に地域に欠かせない良質なインフラになっていくんだろうなと思います。

金沢駅Bポートがある高架下市道、竪町ポートがある竪町広場、そして寺町ポートができた寺町5丁目緑地。これらの管理者である金沢市の皆様や鉄道事業者、商店街、町会などの関係者の皆様と少しずつ可能性を探りながら、地域の価値を高める取組を展開していければと思います。

さらに広がりをみせる「まちのり=街の利」。

引き続きよろしくお願い致します!