まちネタ

札幌市「ポロクル」体験記♪

人とまちをつなぐコミュニケーションツール。

金沢レンタサイクルまちのり。

 

今回は、札幌市「ポロクル」についてご紹介。

「ポロクル」は、国内の自転車シェアリングの先駆者であり、自転車を通じたまちづくり活動を積極的に行っている兄貴分のような存在。そのポリシーや取組については、「まちのり」のスキーム検討の際にもかなり参考にさせていただいたのを昨日のことのように覚えています。

このたび、全国各地の広場ニストが集う「全国まちなか広場研究会」に参加するため、札幌を訪れました。札幌に来たとなると、コミュニティ・サイクリストのわたくしとしては「ポロクル」を利用せずには帰れません。

ということで、夕方のかなり短い時間ではありましたが、利用してみましたので簡単にご紹介しますね。

まず基本情報として、「おさいふケータイ」があれば各ポートで登録可能ですが、無い場合は「ポロクルカウンター」でICカードをレンタルする必要があります。

また、ポロクルの場合、地元のヘビーユーザー用の利用形態(クレジットカード引き落とし、追加料金あり)と、観光客向けの利用形態(現金利用、追加料金なし)を分けており、今回は観光客向けのプランで利用してみました。

サービス規模はサイクルポート45か所、自転車350台、営業時間は7時半~21時まで。ポート数と自転車台数は国内最大級です。

 

▼札幌市電の西4丁目駅。大通公園のすぐ近く。昨年、市電を延伸・環状線化すると同時に新型車両を導入。めっちゃカッコいいです!

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▼その西4丁目駅から徒歩すぐの「日の出ビルディング」。この9階の「ドリノキ」というコワーキングスペースの中に「ポロクルカウンター」があります。

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▼こちらが9階の「ドリノキ」&「ポロクルカウンター」。ちなみに、日本初の都市再生推進法人に認定された「札幌大通まちづくり株式会社」のオフィスもこの中にあります。

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▼こちらが「ポロクルカウンター」です。いざ登録!

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▼まずは申込用紙に必要事項を記入します。観光客向けのプランとしては、「1日パス」(1,080円)と「15時パス」(540円)があり、この日は利用開始が17時頃だったので「15時パス」を申し込みました。現金、身分証明書、携帯電話が必要となります。

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▼記入後、携帯電話でICカード表面にあるQRコードを読み取り、登録用WEBページへ。

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▼登録用WEBページはこのような感じ。名前と携帯電話番号を入力・送信すると登録が完了します。

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▼一時駐輪用のワイヤー錠の使い方や、利用後のICカード返却方法についてレクチャーを受けます。これにて完了。所要時間はおよそ10分ぐらいかなと思います。

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▼さっそくサイクルポートへ。ポロクルカウンターの最寄はこの6番ポート。道銀ビルディングポートです。

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▼自転車はオリジナルデザイン。チェーンカバーのところを広告媒体として活用しており、なんとケンタッキーフライドチキンが広告協賛!

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▼自転車を借りる方法は、駐輪ラック上部のICカードリーダーにかざすだけ。音声での案内もあるのでわかりやすいですよ。

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▼中心部では、歩道上は「押し歩き」が推奨されている箇所もありますので、車道左側通行を基本としつつ、歩道に上がる場合は注意しながら通行しましょう。

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▼こちらがテレビ塔と大通公園の様子。道路の真ん中が公園となっており、バルセロナのランブラス通りを思い起こさせる素敵な空間。多くの市民や観光客の方々がゆったりとした時間を過ごしていました。ちなみに自転車は押し歩きですよ。

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▼北海道名物のひとつである「とうきび」。「焼き」と「ゆで」がありますが、「焼き」のほうがおススメとのこと。めっちゃ美味しかったです!ちなみに、食べた後で歯に挟まったコーンを取るための爪楊枝もついてきます。

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▼西5丁目の通りでは、自転車通行空間整備の社会実験を実施。「車道混在」タイプのブルーレーンが整備されています。「減速」や「左折車合流注意」などの路面表示が目を引きます。将来的には、あえて表示しなくでも道路利用者の皆さんで注意しあう関係ができれば良いですね。

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▼こちらは北1条通りのブルーレーン。国内では先駆的な通行空間整備が行われた場所。今ではかなり塗装がはがれていますが、メンテナンスをしながら継続中。個人的に、全面カラー舗装は経年的な劣化やメンテナンスコストを考えると厳しいかなと感じています。

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▼北1条通り沿いの43番ポート。ドライバーへのメッセージボードが表示されています。素晴らしい!

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▼こちらも同じく北1条通り沿いの44番ポートですが、43番ポートと決定的な違いがあります。わかりますか??なんと、車道上からアクセスできる向きに設置されているのです。借りてすぐにブルーレーンを通行できる仕組み。欧米では一般的ですが、国内でこのようにきちんと考えられている場所は限られており、まちのりも車道からアクセスできるところはありません。しかも、歩道上での徐行ルールを知らせるメッセージボードが。素晴らしい!!

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▼こちらは北3条広場。市民公募で決まった愛称は「アカプラ」。北海道庁のデザインポリシーを受け継ぐ赤レンガ広場なので「アカプラ」。札幌駅前通まちづくり株式会社のマネジメントにより、とってもよく利活用されています。この広場はもともと道路空間だったのですが、隣接するビルの所有者である三井不動産ならびに日本郵便の公共貢献のもと、クルマをシャットアウトして広場に生まれ変わりました。クルマから人へ。素晴らしい都市空間の改良事例ですね!

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▼こちらは旧北海道庁。通称「赤レンガ庁舎」。素晴らしい建築物です。1888年の建築だそうで、もうすぐ130歳。すごい!

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▼そして、返却は18番ポートにて。このポート、「東京ドームホテル札幌」の敷地内に置かれています。目の前がエントランス。さすがはポロクル、ホテルなど地元の皆様との連携も完璧です。ちなみに1日パスはホテルでも登録可能とのこと。素晴らしいですね!

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▼返却の際も、先にかざすのをお忘れなく!カードをかざすと、「入庫してください」というアナウンスが流れますので、あとはラックに挿入するだけで返却完了です。

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▼その日の利用が終了したら、こちらの「カード回収BOX」にカードを返却しましょう!自転車の返却は21時までに。間違ってICカードを持って帰ってはだめですよ!!

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以上、さらっとでしたが「ポロクル」体験記でした。もっとたくさん利用したかったのですが、なかなか時間がとれず・・・。またいつかゆっくりと自転車で回遊したいと思います。

 

それにしても、札幌のまちづくりの動きは素晴らしいです。

札幌では、市が策定した「都心まちづくり計画」にもとづき、2つの民間主導のまちづくり会社(エリアマネジメント組織)が大活躍中であり、大通公園や北3条広場などの素敵な公共空間がまちなかにインストールされ、市民や来街者が楽しめる質の高い憩いの場となっています。

「ポロクル」の運営はNPO法人であり、札幌大通まちづくり株式会社と連携しながら、都心の移動を支えるモビリティとして機能しています。さらには市電も環状線化され、ますます便利に。

さすがは尊敬するまち。大事なアイデンティティを継承しながらも、新しい活動がどんどん生まれてきており、訪れるたびに新たな発見があります。

われらが「まちのり」も、常にフレッシュな気持ちで自転車を活かした地域貢献を果たし、市民や来街者の皆様にとって新しい息吹が感じられるよう頑張っていきたいと思います。

ではまた。