「Velo-City Global 2016 in Taipei」体験記(その3)
金沢のまちが、もっと好きになる。
金沢レンタサイクルまちのり。
今週末は暖かくまさに花見日和となりましたね♪金沢のまちなかでは「百万石まちなかめぐり~さくら2016~」などのイベントが開催され、お花見とあわせてかなりの賑わいだったことと思います。
なんとわたくし、昨日まで市外におり、まだ金沢の桜をしっかり見れていない状態・・・涙。まだしばらくもちそうなので、月曜以降に少し遅めの花見をしたいと思います♪
さて、今回は、先週の予告どおり台湾・台北市の自転車シェアリングシステム「YOUBIKE」についてさらりとご紹介したいと思います。
「YOUBIKE」は、台北市内やその周辺都市で実施されているバイクシェアリングシステム(自転車シェアリング)の名称であり、台北市内ではステーション約230か所、自転車5000台以上という規模の大きさで、自転車を活かした公共交通サービスが提供されています。
実施主体は世界的に有名な自転車メーカーである「GIANT」。台湾を本拠地とする同社が、メーカーとして自転車を提供するだけでなく、台北市とともに公共交通として自ら利活用している姿勢に共感を覚えます。
会員種別は「1回利用」と「長期利用」があり、登録には台北市内で利用できる携帯電話番号(プリペイドSIMでOK)と交通ICカード「Easy Card(悠遊カード)」が必要。今回、台北市内で利用可能な携帯番号を持っていませんでしたが、幸いなことにVelo-Cityへの参加者に配布される悠遊カードで利用できました。
利用料金は、最初の30分5台湾ドル(現在のレートで16円程度)。その後30分超過ごとに追加料金が加算されます。詳細はこちら。
つまり、1回30分以内で利用すれば、1日5回でも80円程度。かなり安価な設定となっています。
▼YOUBIKEを象徴するオレンジ色の自転車。GIANT製でメンテナンスが行き届いており、見た目よりもかなり軽量で、とっても乗りやすかったです。
▼市役所などが立地する中心部最大級のステーション。ここだけで約200台分の容量があります。端末機の足元にあるフットスタンプの路面表示は、自転車が無い場合に並んで待つ「ウェイティングゾーン」とのこと。後ほど示しますが、凄まじく利用されていますので、少し待てば利用できるというまさに「シェア」が実現しています。
▼上記ステーションにはサービスセンターが併設。4名のスタッフがおられました。また、英語で一生懸命説明してくださる親切で手厚い対応は見習うべき部分です。
▼多くのステーションが歩道上に設置されています。1カ所当たりの台数は最低でも20~30台以上。これが日々の再配置作業を軽減する秘訣となります。
▼オレンジ&黄色の車体が街の景観にアクセントを与えています。
▼1ラックに2台の自転車が収容されます。
▼登録した悠遊カードをかざすだけでロックが解除されます。ちなみに返却するときは、自転車をラックに入れて再び悠遊カードをかざし、決済完了となります。このひと手間は慣れると問題ありませんでした。
▼登録するための端末機。もちろんタッチパネル式です。
▼サドルバーには目盛りがついていて、自分の好みの高さに合わせやすいよう工夫されています。
▼ギヤは3段変速。日本のシマノ製。
▼どの時間、どのポートに行っても利用者がいるというほどに凄まじく利用されています。
▼先週お送りしたバイクパレードでもYOUBIKEユーザーがたくさんいました。
▼ちなみに、自転車通行空間は「歩道上の分離」が主体。
▼日本で見られる普通自転車歩道通行可のような標識も。この写真の歩道は狭いですが、都市計画のルールとして建築物の1階部分をセットバックすることが義務付けられており、歩行空間や店頭のテラス空間として有効に利用されています。素晴らしいルールですね。
▼随所にみられる最寄りステーションの誘導表示。まちのりの場合、ポートの場所がわかりにくいという声が少なからずありますので、こういったものを金沢のまちなかにもインストールしていきたいですね。
▼Velo-City の会議の中でYOUBIKE担当者の方が発表されたスライドの一部です。2013年の自転車1台あたりの利用回数は10.34回。2015年は8.5回となっていますが、これは最初の30分の料金が無料から5台湾ドルに変更された影響とのこと。
なお、ニューヨークが8.3回、パリが6.7回、ロンドンが3.1回。ちなみに2015年度の「まちのり」は3.8回(夏季繁忙シーズンは6回以上)。規模は全然違いますが、それなりに勝負になっています!
YOUBIKEの利便性を支えているのは「悠遊カード」です。この交通カードさえあれば、地下鉄、バス、自転車がシームレスに利用できてしまうという点がとても便利なのです。
さらに、地下鉄駅にある地図には、当然のようにYOUBIKEの最寄ポートの場所が記されています。これは簡単なようで日本ではなかなかハードルが高い状況です。交通事業者間の連携もしっかりと参考にすべき重要な部分です。
▼地下鉄(MRT)の駅にある地図。2番出口のところにYOUBIKEのステーションがあることがわかります。
一方、日本では、未だに自転車シェアリングは公共交通として十分に認知されているとは言い難い状況かと思います。事業スキームを含め、公共交通として浸透させていくことで、人々の移動をもっと楽しく、もっと便利にしていく必要があるように感じます。
微力ではありますが、「まちのり」もその一端と担えるよう努力していかなければなりませんね。頑張っていきましょう!
ではまた。